〇『読売新聞』4月2日(土)夕刊の記事「図書館と出版界 共存のために」について

2016.04.11 Monday

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    ○ 『読売新聞』4月2日(土)夕刊の記事「図書館と出版界 共存のために」について    

     

                                                                                             2016. 4.11 薬袋秀樹

    ・記事の概要
     2016年4月2日(土)夕刊9面の「探Q!」欄に「図書館と出版界 共存のために−互いを知

    り情報共有を」という題名の記事(待田晋哉記者)が掲載されました。最初に「最近の図書館

    を巡る話題を集めた」という説明があり、「TSUTAYA図書館」「図書館と出版の関係」「デ

    ジタル化情報と図書館」の3つの話題が取り上げられ、筆者の「利用者の選択肢増やす」とい

    う題のコメントが掲載されています。
     新聞記事のコメントは、コメンテータが一定の時間で話したことを記者が限られた字数でま

    とめるため、読む人の関心や立場によって受けとめ方が異なってきます。また、時間の制約で

    話せなかったこともあります。これを解決するには、コメンテータがブログ等でコメントを補

    足することが望ましいと思います。そこで、今回、それを試みることにしました。
     
    ・コメントの解説
     以下、コメントを6つに分けて解説します。
     峺共図書館も、運営を定期的に見直す必要がある」
     主語は「公共図書館」で、図書館が主体となって、社会の変化に遅れないよう、「見直し」

    (イノベーション)を行うことを求めています。3つの話題についても同様です。外部の人々

    から意見や提案がある場合は、その問題意識に対応した「代案」が必要だと思います。
     
    ◆嵶磴┐弌⊃渊餞曚肪楼茲僚馘好泪奪廚魴納┐垢襪覆鼻⊇馘垢亡悗垢訃霾鵑鯆鷆,垢譴弌⇒

      用者の選択肢が増える」
     武雄市立図書館に見られる図書館と書店との「融合化」(仮にこの用語を用います)に対す

    る代案と近年の図書販売の減少に対する対応策の一例です。「書店マップ」の意義とその他の

    代案については別に述べます。
     
    「図書館、書店、出版社、著者が協力すれば、本への関心を高める工夫ができる」
     図書販売の減少に対する対応策です。既に様々な形で実行されています。
     コメントの前半で、↓を挙げて、図書館側からの積極的な協力を提案しています。出版関

    係者との議論は、協力の提案から始めることが必要だと思います。
     
    ぁ峩畴、公共図書館が貸し出し冊数で評価されがちだが、これは明確な評価基準がないため

      だ」
     図書館職員を含む多くの人々が痛感している課題だと思います。質を評価することができ、

    共通して利用できる評価基準を確立して、図書館間で評価結果の比較が行えるようにすれば、

    徐々に質が向上して行きます。
     指定管理者制度が導入されて10
    数年経つにもかかわらず、まだ明確な評価基準がないことが

    最大の問題です。「貸出冊数で評価されがちである」ことを指摘するだけでなく、「明確な評

    価基準がない」ことを指摘することが必要です。これについては図書館関係者の協同の取り組

    みが必要です。筆者も取り組みたいと思います。
     「TSUTAYA図書館」については、議論の第一歩として、図書館関係者によるすべての評価

    を整理・総合することが必要です。
     
    ァ嵜渊餞朶愀玄圓議論を重ね、2006年に「これからの図書館像」と題する提言をまとめた。

       その中では、図書館の役割として、これまでの読書支援とともに子育て、学校教育、医療・

      健康、福祉、ビジネス、法律などに関する情報提供サービスを挙げているので参考にしてほ

      しい」 
     この間、これらの話題に関する記事に図書館関係者のコメントやインタビューが掲載されま

    したが、『これからの図書館像』や「望ましい基準」に触れたものはありませんでした。関係

    者はそれぞれ図書館の在るべき姿を述べていますが、その内容は個人の見解にとどまり、人に

    よって異なるため、議論が深まりません。また、公共図書館に関する基本的な指針がないかの

    ような印象を与えています。
     
    ・『これからの図書館像』や「望ましい基準」の活用を
     3つの話題についても、『これからの図書館像』や「望ましい基準」は、議論の基盤や参考

    資料として役立ちます。筆者は、これらの話題について議論する際に、『これからの図書館像』

    や「望ましい基準」が読まれることを期待しています。それを通じて、『これからの図書館像』

    や「望ましい基準」の具体化、充実を図って行きたいと思います。
    (以上)