〇 エンターテイメント小説の複本・貸出に関する議論のまとめ(未定稿)

2016.11.29 Tuesday

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    〇 エンターテイメント小説の複本・貸出に関する議論のまとめ(未定稿)

     

                                   2016.11.29 薬袋秀樹

     

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      筆者は、この問題について、2016年、「出版関係者からの複本削減等の要望に関する図書館

    関係者の議論の方法」『日本図書館情報学会春季研究集会発表論文集』2016年度(2016.5,p.

    13-16)http://hdl.handle.net/2241/00142026)(文献1)、「公共図書館の貸出が図書の

    販売に与える影響に関する議論の特徴」『三田図書館・情報学会研究大会発表論文集』2016年度,2016.10,p.21-24)(http://hdl.handle.net/2241/00144267)(文献2)の2つの研究発表

    を行っています。

     

      文献1の結論は次の4点です(発表文献とはやや異なっています)。

    ,海竜掴世蓮1997年に始まり、2005年頃まで続き、その後停滞した。1997年〜2015年の論議

      は 6つの期間に区分できる。

    日本文藝家協会・日本ペンクラブ等の 5団体は、2005年に国家または公的機関による著作者

     への補償を求める共同声明を発表したが、日図協はこれに反対している。

    図書館関係者は、出版関係者の要望を十分分析していない。要望では、最初はベストセラー、

     次に推理小説が問題とされ、より広くエンターテイメント小説と捉えられるようになった。

     要望には、補償金、複本削減・貸出猶予の二種類の要望がある。学術書の収集、図書館予算

     の増大、司書の増員も要望されている。

    て図協の分析と説明は不十分で、「貸出実態調査」(2003)の結果に対する図書館側と出版

     社側の意見の整理と解釈のまとめ、5団体の声明に対する態度とその根拠に関する説明が不

     明確である。なぜ補償に反対するのかが不明確である。

    タ渊餞朶愀玄圓隆屬法⊇佝粘愀玄圓痢嵎K楡限」の要望を理解する相当数の意見があり、図

     書館関係の雑誌に発表されているが、まとめられていない。

     

     文献2の結論は次の4点です(発表文献とは若干異なっています)。

    ―佝粘愀玄圓了愿Δ蓮◆嵜渊餞曚砲茲襯┘鵐拭璽謄ぅ瓮鵐鳩肋説の貸出の影響で、その売上

     げが増刷できないレベルに低下している」と要約できる。問題は、「本一般」ではなく、

     「エンターテイメント系小説」である。

    ⊃渊餞朶愀玄圓蓮⊇佝粘愀玄圓琉娶を正しく捉えておらず、「本一般」または「ベストセラ

     ー」と捉えている。「図書館による本の貸出のため、本が売れないという意見」という一般

     論として広く捉えることが多いが、このような捉え方は、出版関係者が図書館全般を否定し

     ているかのような印象を与える恐れがある。

    図書館関係者が、出版関係者に対する反論として示しているデータは、図書館利用者一般、

     図書館資料一般、あるいはベストセラーに関するもので、エンターテイメント系小説に関す

     るものではない。

    1980年代、1990年代の公共図書館の利用者調査(各1点)では、公共図書館利用者は、市民

     と比べて、書店で買う人の比率が低く、小説の読者は多いが、購入者が少ないデータが見

     られるため、これらも含めて議論する必要がある。