日米の公共図書館の違いとは(3)公共図書館と社会教育

2017.06.27 Tuesday

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    日米の公共図書館の違いとは(3)公共図書館と社会教育 

     

                             2017.9. 21 薬袋秀樹   

                   

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     日本とアメリカで、公共図書館の役割が異なる点はほかにもあります。社会教育に

    関係することで、少々複雑です。これは、アメリカだけでなく、欧米諸国との違いに

    なると思います。

     日本では地域に公民館があり、社会教育活動を行っていますが、アメリカには公民

    館がなく、地域の社会教育施設は公共図書館だけです。したがって、公共図書館が社

    会教育活動(アメリカでは成人教育活動といいます)も行っています。

     ここから4つの問題が出てきます。

     第一に、アメリカでは、公共図書館で本や映画等の図書館資料を用いて成人教育活

    動を行っていますが、日本の公民館では、どの程度図書館資料を活用しているのでし

    ょうか。公民館図書室やリクエスト等を活用して、図書館資料を活用すれば、成人教

    育の内容が深まると思います。

     第二に、結果として、日本では公共図書館のサービスと職員の仕事の範囲が狭くな

    ります。成人教育活動では、あまり本を読まない市民にも積極的に働きかけます。つ

    まり、アメリカの公共図書館と職員は、日本の公共図書館と、公民館の一部を兼ねた

    サービスと仕事をしていることになります。

     第三に、そうなると、日本では、公共図書館と公民館との協力が必要になります。

    皆さんの地域では、公共図書館と公民館が協力しているでしょうか。一部の地域で、

    公民館と図書館が併設されているのは、このためだと思います。今では、公共図書館

    は、公民館だけでなく、地域の様々な施設と連携・協力しています。

     第四に、日本の公共図書館予算をアメリカ等の公共図書館予算と比較して,日本の

    予算は少ないという意見があります。アメリカの公共図書館予算と比較すべき予算は、

    日本の「公共図書館+公民館の一部」の予算ではないでしょうか。

     以上の意見は、これまで誰も述べていないと思います。述べている文献があったら、

    教えてください。私はこのように考えています。

     日本の公共図書館だけ、アメリカの公共図書館だけを見ていても、あるいは、図書

    館だけを見ていても、わからないと思います。

     問題は、日本の公共図書館では、アメリカと比べて、サービスと仕事の範囲が狭く

    なっていることです。これは、専門職としての評価にかかわります。