文部科学省の組織再編について:資料紹介

2017.09.24 Sunday

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    文部科学省の組織再編について:資料紹介

     

                                                                               2018.1.24 薬袋秀樹

                      

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                           に記事一覧が掲載されています。

     

     私は、行政学については素人ですが、公立図書館に関連することなので、その

    観点から資料を整理してみました。図書館関係では、資料紹介の記事は少ないと

    思いますので、参考までに、その結果を紹介します。なお、不十分な点が多いと

    思います。ありましたら、ご指摘ください。

     

    1.資料紹介

     4点の基本的な資料の内容を比較しつつ、紹介します。

     

    (1)文部科学省「文部科学省の組織再編について(霞が関だより 第170回)」

       『図書館雑誌』111(l2),2017.12,p.790-791.

     

     12月号掲載ですので、 2017年11月段階の報告と思われます。サイニーで検

    索すると、文部科学省の組織再編に関する唯一の雑誌記事のようです。3)の

    「総合教育政策局の設置について」をより詳しくしたものと思われ、若干の追加

    があります。

     2ページ目に「総合教育政策局の体制イメージ(案)」の図があります。局長

    の下が「大臣官房審議官」ですが、その下に「社会教育振興官」があります。社

    会教育振興官」の注として、一番下に「社会教育の推進に関する業務を局課を超

    えて横断的に束ねる」とあります。「地域学習推進課」の下の「担当」「室」の

    トップに「社会教育振興担当」があります。

     3)では、「社会教育振興官」が記載されておらず、「地域学習推進課」の下

    の「担当」「室」の最後に「社会教育施設担当」がありました。

     1ページ目の3つのポイントの説明のうち、それぞれの前半は3)とほぼ同文

    ですが、後半で具体的な内容を加えています。前半を要約すると、次のとおりで

    す。

     1.教育行政全体を通じて、教育基本法第3条に定める「生涯学習理念の実現」

       に努めます。

     2.学校教育と社会教育の縦割りを克服し、横断的・総合的なビジョンに基づ

       く教育行政を戦略的に展開するため、筆頭局を強化します。

     3.生涯学習推進課、地域学習推進課、共生社会学習推進課の3課を中心に、

       学校教育との連携・融合も強化しながら、幅広い分野での社会教育を振興

       し、学びを通じた良い社会づくりにつなげていきます。

     

     2では、具体的に次の3項目を挙げています。

      \験恭惱政策局が所掌してきた社会教育を中心とする学習の推進

      ∩躪臈エビデンスの構築に基づく教育政策ビジョンを打ち出す政策立案機

       能の強化

       教育アクセスの確保・充実に係わる基盤形成機能の強化

        教育費の負担軽減に資する経済的支援

        教育を担う人材開発

      6軌蕕罰惱をより統合的にとらえ、学校教育と社会教育の施策レベルでの

       連携強化・合融の推進

     3では、生涯学習推進課、地域学習推進課、共生社会学習推進課の3課の名称

    に込められたメッセージについて述べています。

     

    (2)文部科学省「平成30年土機構・定員要求の主要事項 平成29年8月

    (「文化政策の総合的な推進のための機能強化イメージ(案)」「総合的な教

      育改革を実現するための機能強化イメージ(案)」を含む)

        (http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2017/08/30/1394952_3.pdf

     

     「1.組織改正要求」と「2.定員要求」からなります。「1」の2番目に「

    総合的な教育改革に取り組むための機能強化(生涯学習政策局・初等中等教育局・

    高等教育局)」があります。説明は「将来の我が国社会を創造する「人づくり」の

    実現を期し、「教育アクセス」の確保・充実をはじめとする総合的な教育政策の推

    進のための体制整備」です。末尾に「文化政策の総合的な推進のための機能強化イ

    メージ(案)」「総合的な教育改革を実現するための機能強化イメージ(案)」の二つ

    の図があります。

     

    (3)文部科学「総合教育政策局の設置について」(総合教育政策局の体制イメ

        ージ(案))

       (http://www.mext.go.jp/a_menu/other/1399123.htm

     

     1)の前の段階の文書と思われます。生涯学習推進課、地域学習推進課、共生社

    会学習推進課の3課を包括する「社会教育を中心とした学習の推進」の説明文があ

    り、一番下に「社会教育の推進に関する業務を局課を超えて横断的に束ねる者をお

    く。」とあります。1)では、「束ねる」役職の名称を記載し、「社会教育施設担

    当」の位置と名称を変更し、3つのポイントを加筆しています。

      

    (4)「文科省 組織大幅再編へ 来年度「総合教育政策局」設置」『読売新聞』

        2017.8.21 東京朝刊 4頁

     

     このテーマについては、他紙には詳しい記事が見られず、貴重な記事です。「こ

    れまで初等中等教育局(初中局)と高等教育局(高等局)に分散していた小中高校

    の修学支援や大学の奨学金の事業を、総合教育政策局に一元化する。学力調査や教

    員養成に関する業務も同局に移す」とあります。1)と似ていますが、「学力調査」

    は1)にはありません。このほか、1)にはない「初中局と高等局への業務負担の

    偏り」の「改善」、「負担」の「軽減」「3局の業務の再整理」について述べてお

    り、業務負担の調整の側面があることを指摘しています。

     

    2.感想

     最初に『読売新聞』の記事を読んだので、背景から理解することができました。

    かなり大規模で、深い意味のある機構改革だと思います。かつて語られた「政策官

    庁」をめざす機構改革のように思われますが、いかがでしょうか。

     図書館関係者の皆さんには、まず、その全体像を理解して欲しいと思います。そ

    の上で、「社会教育」と「公立図書館」について考えて欲しいと思います。

     行政学の観点からは非常に興味深いのではないでしょうか。これまでの文部科学

    省は、小中学校、大学、社会教育のように対象によって組織が構成されていたので

    すが、今回は、「政策立案」「教育アクセス」「人材開発」などの機能によって、

    3つの課の組織が横断的に構成されているように思います。これをどう考えるべき

    なのでしょうか?行政学、教育行政学の観点からの意見を知りたいと思います。

     「社会教育」については、関係団体から意見が出されています。「社会教育振興

    官」「社会教育振興担当」によって名称は残っていますが、組織はやや小さくなる

    と思われます。ただし、その点は、局全体の在り方と合わせて考えるべきものだと

    思います。

     研修等で「行政資料は一字一句を読み込む必要がある」と言ってきましたが、そ

    の通りだと思います。

     今回はここまでとさせていただきます。