〇 小田光雄氏「出版状況クロニクル」について

2017.03.02 Thursday

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    ○ 小田光雄氏「出版状況クロニクル」について

     

                                                            2017. 3. 2  薬袋秀樹

     

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                                    に記事一覧が掲載されています。

     

     

       小田光雄氏は、『出版社と書店はいかにして消えていくかー近代出版流通システム

    の終焉』(ぱる出版,1999,237p.)という衝撃的な本の著者として知られています。

    その後も出版関係の本を次々と出版しています。

       小田氏は「出版・読書メモランダム」というブログを開設しており、その中の「出

    版状況クロニクル」(http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/)の欄で、毎月の出版状

    況をレポートしています。公共図書館のあり方を考える前提として、出版界の現状を

    くわしく知るための資料として、大変便利です。この内容をまとめた『出版状況クロ

    ニクル』という書名の本が3巻出版されています。昨年、4巻目として、『出版状況

    クロニクル検2012.1−2015.12』(論創社、2016.5、714p.)が出版されました。

    出版界の現状をくわしく知るための必読書です。

       参考資料として役に立つ点は、主に次の9点です。〜換饂罎坊悩椶気譴襭映間の

    出版物の販売金額のデータを複数の資料から掲載している。⊇佝納劼篏馘垢龍罰Δ

    経営データを掲載している。『出版ニュース』『出版月報』等の専門雑誌、『新文

    化』『文化通信』等の専門紙の関連記事を要約紹介し解説している。ぁ慊日新聞』

    等の全国紙、『プレジデント』等の一般雑誌、『選択』『FACTA』等の直販誌の出版

    関係記事を要約紹介し解説している。サ伊国屋、丸善ジュンク堂、TUTAYA等の大

    手の書店、トーハン、日販等の取次、講談社等の大手の出版社の経営状態を分析・解

    説している。β膽螳奮阿僚佝納劼判馘垢侶弍弔瞭宛を解説している。日本書籍出

    版協会(書協)、日本書店商業組合連合会(日書連)等の出版関係団体の動向を解説

    している。┠从兒唆半陛の電子出版事業等の動向を解説している。この数年話題

    になっている電子出版、アマゾン、TUTAYA、TRC等の動向について解説している。

     以上のように、この本から出版界の主なできごとを知ることができます。出版に関

    する基礎知識がなくても、通して読めば、同じ事柄が、時間の経過とともに繰り返し

    扱われているため、徐々に頭に入ってきます。

     ブログの記事は、1か月単位のため、画面で読んだときは、わかりにくい印象があ

    りますが、プリントしてまとめて読むとよいでしょう。また、この本を読むときは、

    自分用の簡単な索引を作りながら読むと効率的です。

     小田氏は、日本の近代出版流通システムの研究者で、その特徴である再販制と委託

    制を厳しく批判されており、その理論と思想が現状の記述を通じて示されています。

    近代出版流通システムの批判は『出版社と書店はいかにして消えていくか』(ぱる出

    版,1999)にまとめられています。これも必読書だと思います。

     本書の書評(小林浩(月曜社取締役))が『出版ニュース』(2418号、2016.7月

    中旬号、p.24-25)に掲載されています。著者の先見性を高く評価しています。

     また、小田氏は、2002年7月に、根本彰、小川俊彦氏と鼎談を行っています(根本

    彰、小田光雄、小川俊彦「鼎談 転換期にある図書館をめぐって」『図書館の学校』

    33,2002.9,p.8-18.)

     「出版不況ではなく、出版危機である」と言われていますが、本書は、出版危機の

    実情を具体的に示しています。たとえば、「出版社売上実績金額」(p.305)は総合

    出版社20社の2005〜2012年の売上の変化(減少)を示しています

    http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20131101/1383231639 …)。 「出版社売

    上実績金額」(p.306)も示されています

    http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20131101/1383231639 … …)。

    2013年10月の記事です。日本の出版社は今後どうなるのだろうか?日本の出版は大

    丈夫だろうか?と心配になります。

       ブログの最近の記事では、「出版状況クロニクル 103」(2016年11月)の『週刊

    東洋経済』のドコモの雑誌読み放題『dマガジン』に関する記事の紹介(2016年11

    月)(http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20161201/1480518054 …)(4項)な

    どがあります。大変興味深い内容です。公共図書館ではどう考えているのでしょうか。

      「出版状況クロニクル105」(2017年1月)

    (http://d.hatena.ne.jp/OdaMitsuo/20170201/1485874803 … …)(3項)では、

    コンビニや書店への出版物の配送(出版輸送)に関する東京都トラック協会の役員の

    インタビューを紹介しています。「このままいくと、出版輸送の崩壊がどんどん進み、

    首都圏は店舗が密集していて、業量もあるので営業できているが、地方の状況は非常

    に厳しくなってきている。いつ出版輸送が止まってもおかしくない状況にある」と要

    約しています。出典は、東京都トラック協会出版取次専門部会長瀧澤賢司氏のインタ

    ビュー「深刻さ増す出版輸送問題」(『新文化』2017年1月19日号)です。

    (以上)

     

     

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    2017.10.17 Tuesday

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