〇 公共図書館司書の能力を向上させるには(8)

2017.01.23 Monday

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    〇 公共図書館司書の能力を向上させるには(8)

     

                                                                                                2017. 1.23 薬袋秀樹

     

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      図書館学教員の人々は、これに対して、何を提案したのでしょうか。大まかに言って、その

    対策は「図書館学科」を作ることでした。1960年代から1970年代前半にかけて、図書館学の教

    育基準を作る試みが行われました。これは、実態としては図書館学科を増やすための教育基準

    でした。

      このうち、特に1970年代前半の教育基準案は、大学院卒を上級司書とする「グレード制」を

    提案し、主にその点で批判を受けました。

      私は、この一連の試みには当時から反対でした。公共図書館職員の実態、さらには、図書館

    学教育の実態とかけ離れており、現実的ではないと思っていました。どこが現実的でないので

    しょうか。

      第一に、実現可能性が低いことです。現在の司書課程の根拠は、図書館法の司書資格の規定

    にあります。図書館法で司書資格が定められているから、司書課程が沢山設置されているので

    す。しかし、図書館学科には法律の根拠がありません。図書館学科を設置するには、大学の経

    営者による経営上の判断が必要です。それには、図書館関係者が大学の経営者を説得して、理

    解を得る必要があります。学科を設置する場合は文部省の認可も必要です。

      その後の図書館情報学等の専攻科の設置の状況をみれば、これが非常に難しいことがわかり

    ます。図書館学科を作るには、就職先が確保でき、確実に学生が集まることが必要です。した

    がって、図書館学科ができるとしても、大都市圏に限られます。

      第二に、既に図書館に勤務している司書(これを現職司書と呼びます)の学習の改善に役立

    ちません。仮に、図書館学科が沢山でき、その卒業生が新規採用の司書の主流になったとして

    も、40代になって現職司書の中心になるには20年以上かかります。司書全体の能力を向上させ

    るには現職司書の学習の向上が必要です。

     第三に、全国の公共図書館は、都市部だけでなく、地方にも存在しており、そこで働く司書

    を養成するのは大都市圏にある図書館学科では不可能です。図書館学教員が主張する司書講習

    の廃止に対して必ずしも賛同が得られない理由のひとつはここにあります。一般に、図書館学

    教員は、地方のための職員の養成に対する関心が低いと思います。 

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