〇 望ましい基準の歴史(1)

2016.11.30 Wednesday

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    〇 望ましい基準の歴史(1)

                               2016.11.30作成、2018.4.19修正
     
                                                                              薬袋秀樹
    
    

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      1960年以後、5つの望ましい基準・基準案が検討されてきました。略称で表すと、1967基準

    案、1973基準案、1992基準(生涯学習局長通知)、2001基準(文部科学大臣告示)、2012基準

    (文部科学大臣告示)です。この5つの基準・基準案の要点を簡単に解説します。

    1967基準案

     1967基準案は、全国公共図書館の低い水準を引き上げることをめざして検討されました。公

    共図書館の上位10%の数値(資料、職員、施設)を数値目標としました。数値目標は都道府県

    立図書館と市町村立図書館を対象としています。

     文部省は大臣告示をめざしていました。基準案は社会教育審議会総会に報告され、大臣にも

    報告されましたが、大臣告示されませんでした。大蔵省と自治省から見て、数値が高すぎ、両

    省の了解が得られなかったためです。

    1973基準案

      1973基準案は、発展し始めた公共図書館を背景に、社会教育行政の新たな展開の一環として、

    1971年から検討されました。図書館部会が検討した案の文章等を文部省が整理しました。1967

    基準案とは異なる考え方で新たに検討され、数値目標(資料、職員、施設:分館のみ)を含んで

    いましたが、町村立図書館と都道府県立図書館の職員の数値目標が高いことなどが特徴でした。

      社会教育審議会総会では、数値目標に対する複数の反対意見があり、「解説を付ける」とい

    う条件付きで一応承認されましたが、解説は作成されず、文部大臣にも報告されませんでした。

     この時期は、社会教育行政の発展期で、この基準が制定されなかったことが、その後に大き

    く影響をしていると思われます。ここで、公共図書館は大きなチャンスを逃したといえます。

    1992基準

      1992基準は、規制緩和等の取り組みが始まる中で、1990年から約20年ぶりに新たに検討され、

    1992年に文部省生涯学習局長通知として地方公共団体に通知されました。大臣告示は実現しま

    せんでしたが、初めて、「案」ではない基準が制定されました。

     20年間の図書館の多様な活動を規定に盛り込んでいること、数値目標(市町村立図書館のみ

    の貸出、資料、職員)を含む点が特徴です。規定はその後の基準の規定の基礎となっています。

     文部省は大臣告示を意図していましたが、実現しませんでした。大蔵省と自治省の了解が得

    られなかったためと考えられます。

    2001基準

     2001基準は、1990年代に内閣によって規制緩和政策が強力に推進される中で、1998年に検討

    が始まり、初めて大臣告示されました。数値目標は含まれず、報告書に「参考資料」として、

    市町村立図書館のうち、人口当たり貸出冊数の上位10%の図書館の各種数値の人口段階別の平

    均値が掲載されました。基準に数値目標が含まれなかったため、大臣告示できたと言われてい

    ます。自己点検・自己評価、ビジネス支援・行政支援の規定を加えたことが特徴です。

    2012基準

     2012基準は、2006年の教育基本法の改正、2008年の社会教育三法の改正を受けて、2009年に

    検討が始まり、2012年12月に大臣告示されました。

     私立図書館を含む「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」であること、課題解決支援に

    ついて本格的に規定したこと、自己点検・自己評価の観点から経営のサイクルを確立したこと、

    2001基準と同様に数値目標を除き、報告書の「参考資料」に市区町村立図書館の「目標基準例」

    が掲載されたこと、2003年に導入された指定管理者制度への対応を規定したことが特徴です。

     

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    2018.04.20 Friday

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