〇 出版関係者の要望に関する図書館関係者の議論について

2016.06.16 Thursday

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    〇 出版関係者の要望に関する図書館関係者の議論について

     

     

                                    2016.6.16 薬袋秀樹
     

      5月28日の「日本図書館情報学会春季研究集会」で、「出版関係者からの複本削減等の要望
    に関する図書館関係者の議論の方法」
    という題名の
    発表を行いました。この発表の結論4点をより具体的に説明したいと思います。
     
    (1)議論の経過について
     発端は1997年で、2016年まで約20年近い議論が行われています。日本文藝家協会、日本ペ
    ンクラブ等 5団体は、国または地方公共団体に公貸権による補償を求めていますが、日本図書
    館協会(日図協)は、貸出に対する補償に反対し、賛成できないと述べており、対立していま
    す。日図協会員はどの程度このことを知っているのでしょうか。
     
    (2)出版関係者の要望の分析について
     出版関係者の要望は十分分析されていません。現在問題になっているのはエンターテイメン
    ト小説で、書籍全般ではありません。したがって、図書館一般の意義を説いても、ほとんど意
    味はありません。出版関係者は、図書館予算の増大、司書の増員を要望しています。これは、
    公共図書館に対する数少ない支援活動ですが、図書館関係者はほとんど無視しています。
     
    (3)日図協による検討と説明について
     2003年に日図協と書協によって行われた貸出調査の結果について、双方から意見が出されて
    いますが、その整理と解釈のまとめが行われていません。図書館側では、選書が不十分な現状
    が指摘されていますが、対応策は取られていません。日図協は、 5団体の補償金の要望に反対
    であるならば、社会に対して、反対の意思表示とその理由の説明を明確に行うべきです。
     
    (4)出版関係者の要望を理解する意見について
     図書館関係雑誌の特集記事や一部の出版関係雑誌では、図書館関係者による出版関係者への
    反対意見が多く見られますが、図書館関係の雑誌記事を詳しく調査すると、複本の自主的な削
    減を求める相当数の意見があり、公貸権による補償についても支持する複数の意見があります。
     

     

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