図書館の説明資料を作ろう

2017.04.27 Thursday

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    〇 図書館の説明資料を作ろう
                                                              2017.4.28 薬袋秀樹

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    はじめに

     

       日本の公共図書館では、最も根本的な課題が取り組まれていません。その一つは、

    図書館職員が、市民や行政に対し、図書館について説明することです。日本では、

    図書館が遅れていて、理解されていないと言われているのですから、単なる広報で

    はなく、市民や行政関係者向けに図書館について説明することが必要です。

     

    事務職の図書館に対するイメージ

     

       図書館に勤務したことのない自治体の事務職の多くは、図書館に対して、「図書

    館は本を貸すところであり、本を貸していればよい(他には何もしなくてよい)」

    というイメージと「図書館には、子どもの本、小説、お料理の本がある」というイ

    メージを持っています。

     文部科学省・筑波大学等共催の新任図書館長研修のパネルディスカッションの冒

    頭で、着任 2年目の館長さんに、毎年「着任前は図書館をどう見ていましたか?」

    「図書館にはどんな資料があると思っていましたか?」という質問をしてきました

    が、このような回答がほとんどでした。

     このように、事務職の図書館に対するイメージは「本を貸していればよい」「小

    説と料理の本がある」というものが多いのです。図書館サービスがきわめて初歩的

    かつ単純な形で理解されています。
     しかし、実際に図書館に来てみると、そうではないことがわかります。埼玉県の

    K市の図書館長になられたO氏は、着任後、図書館の書架を端から端まで見て回っ

    たところ、「役に立ちそうな専門書が多いのに驚き」「市役所の職員の役に立つ本

    が沢山ある」と考えて、それが図書館の改革に取り組むきっかけになったそうです。
     

    社会の司書に対するイメージ


     図書館職員の役割や専門的教育に対する理解も十分ではありません。10年以上前

    のことですが、図書館情報学専攻のある学生は、高校時代に「大学で図書館情報学

    を勉強して、公共図書館の司書になる」と発言したところ、周囲の人々から「図書館

    職員になるのに、何か勉強することがあるの?」「何を勉強するの?」と聞かれたと

    語っていました。

     大変残念なことですが、あり得ることだと思います。このことは「図書館は本を

    貸すところであり、本を貸していればいいと思っていた」という意見と一致します。

    私も、1970年代のことですが、公共図書館に勤めていることを話すと、「図書館で

    は本を並べておけばいいのだろう」とよく言われました。

     

    現実を見つめ、解決に取り組もう

     

     これは、良いとか悪いとか言うものではなく、日本の社会の一つの現状として受

    け止めるしかありません。このようなイメージが持たれる理由は、図書館の専門的

    サービスの実態がまだまだ弱体であることにあります。専門的サービスとは何かが

    まだ理解されていないのです。

       図書館職員には、このような経験をしている人が多いのではないでしょうか。そ

    の割に、そういう経験が活字になることは少なく、対策が議論されることもほとん

    どありません。このような現状を避けて通ってはいけないと思います。 

     このような現実から逃げるのではなく、現実をしっかり見つめ、どうしたら解決

    できるかをみんなで考える必要があると思います。

     

    どう説明すればいいのだろうか?

     

     このような問題を解決するには、誰が読んでも、確実に理解してもらえる説明資

    料を作ることが効果的だと思います。そう考える人が少ないのは不思議です。

      いくつか工夫が必要です。理解してもらう方法を検討するには、どのような人に、

    どのように説明するのが効果的かについて考える必要があります。

     人の意見を聞くことが重要です。「理解していない人」や「理解していなかった

    人」の意見です。「図書館を理解している」と思っている人だけでは解決できませ

    ん。

     一番重要なことは、人に説明できるように、自分で納得できるまで、十分考える

    ことです。

     

    説明資料を作ろう

     

     図書館の仕事を進めるにあたって、「図書館はなぜ必要か?」「司書はなぜ必要

    か?」「図書館は何をすべきか?」について、わかりやすく、説得力のある説明資

    料があれば、大変便利です。

       司書の皆さんは、図書館で、日々、事務系の管理職から、これらのことについて

    説明を求められると思います。その場合、管理職に納得してもらえるように説明す

    る必要があります。

     図書館の仕事を進めることが難しく、職員の負担が大きいのは、わかりやすく、

    説得力のある説明資料がないからだと思います。もちろん、そのような資料は簡単

    にはできません。しかし、部分的には、「わかりやすく、説得力のある説明」があ

    るはずです。

     これまで作られた様々な資料の中から、少しでも役に立つ「わかりやすく、説得

    力のある説明」を選び出し、それを集め、修正することによって、作り上げていく

    ことができます。

       それには、これまで作られた様々な資料を読み直し、それが有効だったかどうか、

    どの部分が役に立つかを検証し、その評価の情報を交流することが必要です。これ

    が一番欠けているのではないでしょうか。

     

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    2017.05.16 Tuesday

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