〇 「ユネスコ公共図書館宣言 1994年」 について(1)

2016.05.13 Friday

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    ○ 「ユネスコ公共図書館宣言 1994年」について(1)
                                   

                                                                   2016. 5.14 薬袋秀樹
     
      公共図書館に関する文書のうちで、公共図書館の理念を最も的確に示しているのは、「ユネ

    スコ公共図書館宣言  1994年」だと思います。国際的な宣言のため、なじみが薄く、文章も翻

    訳であるため、図書館職員にはあまり読まれていないようですが、最も重要な文書で、図書館

    職員が最初に読むべき文献のひとつだと思います。
     
    ・地域の情報センター
      この宣言の特徴は、公共図書館の性格を明確に定めていることです。「公共図書館は、その

    利用者があらゆる種類の知識と情報をたやすく入手できるようにする、地域の情報センターで

    ある」「地域において知識を得る窓口である」と述べています。
      そして、公共図書館が提供するものとして、「知識」「知識と情報」「情報サービス」「情

    報提供」を挙げています。これは、従来提供してきた「図書館資料」の本質が「知識と情報」

    であることを示すと共に、情報サービスの意義を示しています。
     
    ・個人と社会集団に対するサービス
      次に、公共図書館サービスの対象と内容を明確に示しています。「公共図書館は、個人およ

    社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する」と

    述べています。この特徴は、サービスの対象として、「個人」だけでなく、「社会集団」を挙

    げていることです。「社会集団」を対象に加えることによって、広く社会や地域社会の全体を

    対象とすることを示しています。
     
    ・意思決定への支援
      サービスの内容については、「生涯学習」だけでなく、「意思決定」を挙げています。「意

    思決定」とは、私たちが決定しなければならないあることについて、検討し、判断し、結論を

    出すことです。決定しなければならないことは「問題」「課題」です。「意思決定のための基

    本的条件を提供すること」は問題解決を支援することです。
      「個人及び社会集団の生涯学習、独自の意思決定」は、学習だけが目的ではなく、学習だけ

    に終わらず、その成果を活用して、意思決定、問題解決を行うことを示しています。逆に言え

    ば、意思決定には学習が必要であることも示しています。学習だけで終わらずに実践すること

    が重要であることを示しています。
                                              

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